【講義概要】
横浜では創造界隈拠点が中心的活動しているとともに、古い建物を使ったシェアスタジオが、横浜の街にアーティスト・クリエーターを集め活動するとともに、街中でのアート活動の展開によって都心部の活性化を図っている。
今回は、横浜の大規模シェアオフィスの経緯や、横浜以外の拠点の事例、街中でのアート活動を行っている事例を紹介する。そして、みなとみらい21地区で進められている、アーティスト8人が入居するシェアスタジオの社会実験であるPLOT48の現場でスクールを行うことにより、これからの横浜の創造都市的な可能性を探る。
◎2月7日(金)神戸・KIITOの活動から学ぶ(永田宏和・デザイン・クリエイティブセンター神戸【KIITO】センター長)
・講義動画
デザイン・クリエイティブセンター神戸(愛称:KIITO)は、兵庫県神戸市にあるクリエイティブな拠点で、2008年に、神戸市がユネスコ創造都市ネットワークのデザイン都市に認定され、その創造の拠点として、2012年8月に開館された。建物は1927年に旧神戸生糸検査所として利用されていたもので、かつての設備などを一部残しながら、リノベーションされ、1階にはホール、ギャラリー、カフェ、2階には旧生糸検査所の歴史を伝えるギャラリーや神戸市立三宮図書館(暫定利用)、3階にはプラットフォーム「KIITO:300」があり、こどもの創造性を育むこと、だれもが社会貢献に取り組み、交流できる協働と参画などを目的に利用されている。2階から4階にはCREATIVE LABと呼ばれるスペースがあり、デザイン事務所や建築事務所、映像制作会社、アーティストのアトリエなど、クリエイティブなフィールドで活動する人たちの仕事場(レンタルオフィススペース)として活用されている。現在、40室の入居者同士が集い、分野を超えたつながりが生まれている。
このセンターの活動の目的は、地域の課題解決をデザインやクリエイティブの力で変えていくことにあり、地域の課題を解決し、くらしを豊かにするためには、地域には根づかず、外から種を運んでくる「風の人」、その種に水を与え続ける「水の人」、その土地に根づく住人である「土の人」の三者が必要であり、そうした人材をプロジェクトを通して育成してきた。代表的な種(プロジェクト)としては、「ちびっこうべ」や「BE KOBE」「男・本気のパン教室」「ふれあいオープン喫茶」「仮設のピザ窯のある公園」などがあり、多くの人がこれらのプロジェクトを通して地域を豊かにしている。いい種の条件は多くの人の関わりしろがある「不完全さ」と、それをワクワクし魅力的にする「+クリエイティブ」であり、KIITOに入居するクリエイターや市内外のクリエイター、アーティストがそのプロジェクトに関わっている。
・講義資料なし