【講義概要】
横浜では創造界隈拠点が中心的活動しているとともに、古い建物を使ったシェアスタジオが、横浜の街にアーティスト・クリエーターを集め活動するとともに、街中でのアート活動の展開によって都心部の活性化を図っている。
今回は、横浜の大規模シェアオフィスの経緯や、横浜以外の拠点の事例、街中でのアート活動を行っている事例を紹介する。そして、みなとみらい21地区で進められている、アーティスト8人が入居するシェアスタジオの社会実験であるPLOT48の現場でスクールを行うことにより、これからの横浜の創造都市的な可能性を探る。

◎2月21日(金)葉山芸術祭〜地域発住民主体アートプロジェクトの意味意義清水明絵(葉山芸術祭調査研究グループ 主任研究委員)、松澤利親(葉山芸術祭調査研究グループ委員、葉山芸術祭監事兼顧問)

・講義動画
1993年にスタートした葉山芸術祭は今年で33回を迎える地域主体の芸術祭である。葉山芸術祭では、開催20回目を迎えたことを 機に立ち上げられた調査チーム持っており、芸術祭の地域における影響等を調査し提案を行なっており、30年にわたる歴史を5つの時代に区分している。草創期(1993〜1995)は伝統的な芸術鑑賞を中心にスタートしたが、転換期(1996〜2001)には、森山神社での青空アート市がスタートするなど、生活芸術中心の芸術祭へと変化していった。こうした方向転換が軌道にのり、成長期(2002〜2006)にはオープンハウス型、ワークショップ型の企画数の増加により、規模が拡大していった。安定期(2007〜2019)には企画が充実するとともに、サポートショップという形での地域の店舗の参加、金沢文庫芸術祭や、逗子海岸映画祭、大磯芸術祭など他地域への波及も見られた。しかしながら新型コロナウィルスによる中止、制限、再開をへて、現在は再転換期を迎えており、実行委員の世代交代、30代の実行委員の増員などもあり、芸術祭の再構築が進んでいる。 葉山芸術祭の特徴は物理的、地理的にも意識できる範囲(枠)にコンパクトに「アーティスト」 「主催者」「鑑賞者」がおり、またその3者が重層的であり、時系列としても重なっていることや、プロ・アマが混じる点、リピーターが多い点などがある。経済的には参加費で運営されており、独立性を保っていることも長続きしている理由である。また行政とも良好な関係を保っており、公共施設の展示会場としての利用など、さまざまな面でサポートを得ている。 また、芸術祭のスタート当初より、葉山らしい場所の再発見、価値の再創造が意識されており、歴史的な建造物や神社の空間の利活用が盛んに行われており、新旧住民の交流の場ともなっている。

・講義資料なし