【講義概要】
横浜では創造界隈拠点が中心的活動しているとともに、古い建物を使ったシェアスタジオが、横浜の街にアーティスト・クリエーターを集め活動するとともに、街中でのアート活動の展開によって都心部の活性化を図っている。
今回は、横浜の大規模シェアオフィスの経緯や、横浜以外の拠点の事例、街中でのアート活動を行っている事例を紹介する。そして、みなとみらい21地区で進められている、アーティスト8人が入居するシェアスタジオの社会実験であるPLOT48の現場でスクールを行うことにより、これからの横浜の創造都市的な可能性を探る。
◎2月28日(金)コレからどうなるヨコハマのシェアスタジオ(佐々木龍郎(佐々木設計事務所))
・講義動画
BankARTによる北仲Brick & Whiteプロジェクトにより、多くのアーティスト、クリエーターが横浜に活動拠点を移すこととなった。このプロジェクトはBankARTの代表であった池田修(故人)が当時、再開発を主導していた森ビルに交渉し、実現された大規模シェアスタジオプログラムで、再開発を前提とした暫定利用プロジェクトであった。しかし、このプロジェクトに参加した50組以上のアーティスト・クリエーターの中には横浜での活動を継続するものも多く、関内地区を中心に、アーティスト、クリエーターの活動場所を模索する活動が始まっていった。
これをきっかけに、佐々木龍郎らが、スタートしたプロジェクトである芸術不動産である。
20年にわたる創造都市の歴史を俯瞰すると、初期の行政による歴史的建造物等を活用した官製芸術不動産に対して、民間を中心とした芸術不動産がある。初期は行政から不動産所有者に働きかける形の「信用による展開」、続いて芸術不動産リノベーション助成等による「補助金による展開」その後の民を中心とした「再び信用による展開」という変遷がみられる。
また、その窓口をつとめていたアーツコミッションでは、不動産オーナーの相談に乗りながら、シュアスタジオの展開をサポートしつつ、アーティスト・クリエーターを集める段階から、自律的に集まる段階へ、さらには、地域との協働を進める段階へと、アーティスト・クリエーターたちの自律的活動をサポートしていった。また、今後の展開としては起業支援などの動きと、芸術不動産、アーティスト・クリエーターたちの活動の連携、関内とみなとみらいちくの連携の可能性などが議論された。
・講義資料なし