担当講師:佐々木雅幸(大阪市立大学 名誉教授)

【講義概要】
20世紀末の創造都市論登場の世界的な背景を踏まえて、理論的な先駆者であるルイス・マンフォード、ジェイン・ジェイコブズ、ピーター・ホールの紹介と検討を行い、次いで、21世紀の創造都市論登場の担い手であるチャールズ・ランドリーとリチャード・フロリダの所説の紹介と検討を行う。主に、欧米における創造都市論の展開過程をボローニャ、バルセロナ、モントリオールなどで検討したうえで、日本における創造都市の展開を金沢、神戸、京都などにおいて紹介し、その特徴を分析する。

◎6月25日(火) 海外における創造都市の展開(ボローニャ、バルセロナ、モントリオール等)

・講義動画

創造都市とは、文化と創造性による都市再生である。市民の創造活動の自由な発揮に基づいて、文化と産業における創造性に富み、同時に、脱大量生産の柔軟な都市経済システムを備え、グローバルな環境問題や、あるいはローカルな地域社会の課題に対して、創造的問題解決を行えるような『創造の場』に富んだ都市である。
欧米の都市では、都市再生が必要となる社会問題の解決に寄与する様々な創造都市の取組がある。例えば、政治的抑圧が続いたスペインのバルセロナはアートの力の多面的な活用を行い、ポストコロナでもオーバーツーリズム規制で市民のQOLを維持した新観光政策を推進している。
その他、スペインのバスク地方のビルバオ、東ベルリン、モントリオール、ナント市、ボローニャ、サンタフェなど多くの創造都市について、SDGsとユネスコ創造都市との連動、社会的協同組合や社会包摂など、これらの都市の取組についてその背景も交えて語られた。


・講義資料