担当講師:吉本光宏(文化コモンズ研究所 代表)
【講義概要】
日本の文化政策について、1980年代からの潮流を振り返り、現状や課題の把握、文化予算からみた諸外国との比較などを行う。
2017年の文化芸術基本法の改正で国の方針としても明確に打ち出された文化芸術と教育や福祉、まちづくり、観光など他分野との有機的な連携について、国内外の実践例を広く紹介し、全国に広がる地域アーツカウンシルの動向も踏まえ、これからの文化政策のあるべき姿、創造都市政策との関連性を考える。
◎10月8日 高齢者や障がい者の潜在力を引き出すアート
・講義動画
「アート×高齢者」「アート×障害者」から生まれる可能性を示唆する国内外の取組を紹介する。高齢者自身の芸術活動として、座・たくあん(北海道浦河町)がある。振り込め詐欺など社会問題を芝居にし、各地の高齢者施設等からの依頼で公演をし高齢者を元気づけている。さいたまゴールド・シアターでは、高齢の男女1000名以上が応募、オーディションで選ばれた約400名が参加し、年齢を重ねたことから生まれる身体表現を追求した演劇を実施した。その他、高齢者の潜在能力を引き出す活動である「お年寄りとの共同作曲」や「アートリップ」、介護・認知症とともによりよく生きる活動である「ずっとび鑑賞会」、「介護を楽しむアートプロジェクト」などがある。また、視覚障害者が鑑賞は絶対に無理だ、とい思っている人たちの認識の変化が誘発された新潟市民芸術館りゅーとぴあ「視覚障碍者のためのNoismからだのワークショップ」、世田谷パブリックシアター「介護と障害をめぐる旅~ゆうじさんちシアター」などの活動の紹介された。
・講義資料