担当講師:岡田智博(一般社団法人クリエイティブクラスター 代表理事)

【講義概要】

今、私たちが当たり前に使っているデジタルのサービス、豊富に選べるコンテンツ、多様な文化の豊かさに触れられる観光、それらの源には、これまでの産業発展で棄てられた中心市街地や、周縁にあった個性ある市民による文化的創造活動といった、多くの人々からは、見向きもされなかった存在が、イノベーティブな環境変化によって、芽吹きはじめ、文化的営為を通じて、これら新たなものを地域で創出し、産業化・社会化していったことが、背景に存在する。この20世紀末からの世界各地での変化こそが「創造都市」という考え方を生み出した。ここでは、創造都市における産業立地をテーマに、21世紀型産業を生み出す背景にある地域における文化的営為とその展開を、まさに時代の変化を国内外で参与しながら分析を続けてきた講師が、大都市から里山まで、さまざまな現場をあげながら説いていく。

◎11月19日(火) 高度情報通信社会の到来による新産業を生み出した「創造都市」

・講義動画

全4回にわたって、一般社団法人クリエイティブクラスター代表理事の岡田智博氏をお招きし、創造産業の可能性について、大都市から地方まで幅広い視点でお話いただく。岡田氏が代表を務めるクリエイティブクラスターは、クリエイティブな活動を行う人たちの活躍をサポートすることで、社会に新しい価値を創出することを目的としている。第1回目では、創造都市という考え方が誕生した社会的・技術的背景について、解説いただいた。
クリエイティブ産業は、イギリスで衰退した地域産業を活性化するための策として、注目されるようになった。その後、IT社会の到来、マルチメディアの登場と普及、創造的産業の発展と定着がその成長を後押ししてきた。これにより新しい価値の創出が進められる一方で、日本におけるクリエイティブ産業振興に関する課題についてもお話しいただいた。
また、文学的創造力と技術的創造力が交差する中で形成された創造都市論、クリエイティブ産業や創造的な人々の存在が地域経済や地域社会に与える影響についても注目が集まっている。全4回を通して、このようなテーマについて深めていく。

・講義資料