担当講師:鈴木伸治(横浜市立大学国際教養学部 教授)
【講義概要】
まちづくりと創造都市の接点を考える上で、重要なポイントとなりつつあるウェルビーイングやリノベーション、創造的人材をキーワードに講座をすすめる。大都市のみならず、都心周縁部や地方都市、人口減少地域などさまざまなスケールからまちづくりと創造都市の関係性を考える。
◎12月12日(木) 美の基準と創造的なまちづくり (卜部直也・真鶴町役場)
・講義動画
本講義では、現在真鶴町役場の健康こども課長としてご活躍されている卜部直也氏をお招きし、真鶴町の美の基準を起点とした創造的なまちづくりの取り組みをテーマにご講義いただいた。真鶴町の美の基準は、いわゆる様式美と言われるものではない。人々の生活や仕事の風景が残っていること、懐かしい印象を与えるような町並みがあることが個性であり、訪れる人に美しいと感じさせる。この基準は、昭和1987年に施行されたリゾート法により開発の圧力に直面した際に、真鶴町がビジョンやルールに基づくまちづくりの推進をしたことにより、生まれたものである。新しい建物の建設の際などにも、開発主体との対話型協議を通して、最適解を追求することで、この美の基準を守り続けている。このように美しい景観、東京都などの大都市とは違う風景があるからこその価値を見出し、それを活かして人が集まるような事業も多数展開されている。これらの多様な事業が、移住者の増加、起業などの人々の積極的な活動、そして楽しい暮らしの実現に貢献しており、真鶴町の住民が幸せに繋がっているのだ。
・講義資料(なし)