■第1回 9月18日(木)「創造都市の世界的潮流」
佐々木雅幸(大阪市立大学 名誉教授)
ナビゲーター:鈴木伸治(横浜市立大学国際教養学部 教授)
<講義概要>
講義ではピーター・ホール、チャールズ・ランドリー、リチャード・フロリダなどの創造都市論について言及しながら、1990年代以降の創造都市論の展開とユネスコ創造都市ネットワークに登録された各都市の取り組みについての解説がなされた。また、ボローニャやバルセロナでは、新自由主義的なグローバル経済の対抗軸として人間や環境を重視し、信頼と協力に基づいて地域や社会をより良くすることを目的とした連帯経済がその背景にあること、AI時代においてもローカルLLMの開発など新たな動きが見られることが報告された。国内においては先行した金沢や横浜などの大都市における創造都市の取り組みに対して、近年は自然や伝統的な産業を背景とする創造農村の取り組みが裾野を広げつつあることが指摘された。質疑においては新自由主義的経済発展の動向に注目が行きがちであるが、全世界的には、まだまだ文化の多様性を備えた経済発展のモデルがあること、国内においても、創造農村的な基層文化に深く根差した地域再生の可能性について目を向けるべきとの認識が示された。