【講義概要】日本各地にはアーティストやクリエーターが活躍する創造的な拠点や活動が数多く存在している。本講座では、横浜の創造界隈拠点の中で注目される若手ディレクターたちが特定の創造的活動を選び、その活動について解説することにより横浜との違いを浮き彫りにする。

◎7月9日(火) 創造都市の担い手たち(鈴木伸治 横浜市立大学国際教養学部 教授)
・講義動画
「創造都市の担い手たち」をテーマにした4回の連続講義の1回目は鈴木伸治教授が担当。創造都市の政策の事例として、横浜市の文化芸術を活用した都市再生を目指した取り組みが紹介された。特に、象の鼻地区や関内地区の再生プロジェクト、そしてBankART1929や黄金町エリアマネジメントセンターの活動などウォーターフロントの活性化や歴史的建造物の再利用を通じて、都市の魅力を高め、市民が文化活動に参加する機会を増やすことを目的とした活動を紹介した。海外の事例としてはヘルシンキのKaapeli、ニューヨークのPS1やチェルシーマーケットのプロジェクトを、文化芸術を通じた都市再生の成功例として取り上げ、都市再生におけるアーティストやクリエーターの役割の重要性について話をした。後半では、横浜の創造都市政策の進展について説明。2004年にスタートした横浜市の文化芸術創造都市構想の4つの目標と、それに基づく5つのプロジェクトが紹介された。プロジェクトを通じて、アーティストやクリエーターが活動しやすい環境を整え、経済の活性化や市民の創造性を引き出す取り組みが進められていることを紹介した。創造都市政策の今後の展開については、都市再生における文化芸術の力を再確認し、新たな担い手たちの活躍の土壌づくり、地域コミュニティとの連携やエリアの拡大、市民が主体となる文化芸術活動と都市再生の取り組みの連携の重要性について語った。

・講義資料