担当講師:野田邦弘(横浜市立大学 客員教授)
【講義概要】
産業構造の転換により都市経済の崩壊に見舞われた欧州工業都市の再生政策として、1980年代頃登場した創造都市政策は、今世紀に入る頃から欧州だけでなく、世界中で取組が一斉に始まります。本講義では、横浜の事例を皮切りに自治体政策の側面から創造都市の神髄とは何か考えます。また日本経済の衰退を創造経済の立場から総括し、創造性が日本再生のカギを握ることを示します(創造性教育の重要性)。また韓国での取組も紹介しながら、東アジア創造都市連携を構想したいと思います。
◎7月26日(金) 韓国文化都市と日本の創造都市(講師:釜山文化財団生活文化本部長ジョ・ジュンユン、ZOOM出演)
・講義動画韓国では、地域の特色ある文化資源を活用し、文化創造力を強化する都市24か所を「文化都市」としており、これらは法律に位置づけられ、施設整備、文化プログラム、人材育成に係る国からの支援(事業費)がある。2023年の政権交代により「文化都市」の事業は終了し、「大韓民国文化都市」として数値目標や効果がより具体化され、2024年12月に改めて13都市を指定される予定である。韓国の文化都市と日本の創造都市の共通点は、文化と芸術の活性化、住民参加、経済効果の追求があげられ、相違点は、韓国は中央政府主導であり、日本は地方政府と民間部門の協力によって進められることなどがあげられる。韓国、イギリス、日本でアート・マネジメントを学び携わったご経験から、「韓国文化都市と日本の創造都市」の2つの国の近年の動きや取組について比較しつつ、政権に左右されず、市民レベルの国際的な連帯・協力を強化することで、両国がお互いに高め合う関係性の継続の大切さなどについて語られた。
・講義資料