【講義概要】日本各地にはアーティストやクリエーターが活躍する創造的な拠点や活動が数多く存在している。本講座では、横浜の創造界隈拠点の中で注目される若手ディレクターたちが特定の創造的活動を選び、その活動について解説することにより横浜との違いを浮き彫りにする。

◎7月30日(火)建築センターCoAK:京都府京都市(川勝真一(建築キュレーター / (一社) 建築センターCoAK 代表理事)、大越晴子 (象の鼻テラス チーフ))

・講義動画
オランダ、ウイーン、デンマーク、シカゴなど欧米の各都市に、市民や来街者に対して、建築や都市空間について、そのまちの資源、生い立ちやコミュニティ、都市の状況を紹介する展示や企画展や教育などを行う施設(建築センター)がある。京都市にこの4月にプレオープンした建築センターCoAK(コーク)のコンセプトは、建築に関するモノ、情報、人、アイデアをキュレーションする「総合案内所」。「建築」は人々の活動の場である。よって建築のコアな部分(建物を作ること)の周辺には、活動のみならず社会課題など、様々なカテゴリやイシューがあることから、「建築」に軸足を仮置きし、これらの周辺との接続を考えていこうとするものである。機能として、「案内(都市が耕してきた建築文化にアクセスするための玄関口)」、「支援(地域の人々が住まいのことやまちのことを気軽に相談できる窓口)」、「交流・発信(建築が社会のさまざまな課題や領域の只中にあることを意識したWS等)」がある。既に、建築や都市に係る自費出版の本を集めたフェアや、建築家の展覧会などを実施しており、建築ツアーも企画中である。また、この取組にも繋がる2012年から始まった廃村再生の大見新村プロジェクトの初動期から現在に至る活動の変化にも触れ、これからの活動主体の在り方についても語られた。活動そのものに価値を見出す奉仕的ではない活動の大切さや、民主的で、社会・経済・環境的に持続的な住空間・公共空間を構築・発展させるための十分な知識や技術を持ち、活動を実践する主体の必要性などにも触れられた。

講義資料:提供なし