担当講師:鈴木伸治(横浜市立大学国際教養学部 教授)
【講義概要】
日本の創造都市政策については、文化政策、創造産業の振興、まちづくりなど多様なアプローチがみられる。このユニットではまちづくりの観点から創造都市の可能性について再検討していく。ここでは「リノベーション」「アーバニズム」「ウォーカブル」「郊外」をキーワードに講座を展開し、創造都市との関連性や、展開可能性について議論する。
◎9月26日 リノベーション型まちづくりと創造都市(鈴木伸治・横浜市立大学教授)
・講義動画
ウォータフロントの活性化を目指す横浜市、金沢城・兼六園を中心とする文化ゾーンを形成する金沢市、城下町全体を宿泊施設捉えた丹波篠山市などのように、創造都市政策とまちづくりは密接に連携しており、このユニットでは創造都市とまちづくりの関係について検討していく。 これまでの日本の都市づくりは、1986年からのバブル経済とその破綻、これに伴う中心市街地衰退への対応、都市再生を目的とした規制緩和、一方で地方の歴史的な地域が行ってきた景観行政の動きを受けた景観法の制定、さらに人口減少・高齢化が進む地方都市において拡散した市街地への対応(コンパクトシティ)といった動きがあった。近年は、再開発、ハード整備中心の都市再生から、ウォーカブルな人中心の都市再生、リノベーションまちづくり、プレイスメイキング、エリアマネジメントといった、場を「使いこなす」まちづくりの時代に変化している。文化芸術や歴史を核に据える創造都市の取組は、この都市づくりの動向とも符号するものである。次回以降は、アーバニズム、ウォーカブル、創造都市の郊外展開について、ゲスト講師を招き講義をしていただく。
・講義資料