担当講師:上野正也(神奈川大学建築学部 准教授)
【講義概要】
重厚長大な産業が衰退するなか、都市または国家における新たな経済のエンジンとして、創造産業は位置付けられてきた。
そして近年では、国内外を問わず様々な自治体において産業振興施策として事業展開されている。今回の講義では、総論として創造産業の潮流について概観する。以降の講義は、創造産業振興には欠かせない中間支援にスポットを当て、クリエイターや作家を様々なものに結びつける力に注目する。これらを通じ、創造産業の現在を知り、またその可能性について考えていく。
◎11月12日(火) 金沢クラフトビジネス創造機構の取組み(原嶋亮輔:金沢クラフトビジネス創造機構・工芸ディレクター/デザイナー)
金沢の工芸のビジネス化推進を目的とし設立された、創造都市金沢の工芸振興のエンジン、金沢クラフトビジネス創造機構。本講義では、工芸ディレクター・デザイナーとしてご活躍中の原嶋亮輔さんをお招きし、機構の具体的な活動内容や実績についてお話いただいた。金沢クラフトビジネス創造機構は、石川県および金沢市に集まる多様な工芸作家の伴走者として、様々な素材や手法を合わせたデザインや商品開発に取り組んでいる。主に工芸作家に専門的なアドバイスを提供する相談窓口としての役割をはじめ、人材育成・販路拡大のサポート、工芸の情報発信や発信拠点の運営、作家同士の交流の場を提供するなど、多岐にわたってビジネス展開の支援を行なっている。さらに、金沢つくるプロジェクトでは、作家と飲食店をつなげギフトボックスの創作するなど、新しい「ものづくり」の提案や、様々なアートフェアへの出展を通し、実践的な活躍の場を提供している。これにより、金沢の多様な工芸作家に挑戦の機会を創出するとともに、新たな分野への挑戦のきっかけも作り出している。
・講義動画
・講義資料(なし)